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他の地方がどうなのかは知らないが、北海道の山道は、トンネルが多い。
トンネルを抜けると、再び次のトンネルに出くわす。
そうして、何度目かのトンネルをくぐり出たところで、すぐ先に女性が立っていた。
「────っ!」
息が止まるような思いで、力一杯ブレーキを踏んだ。
キキーッと金属音が響く。
ぶつかった衝撃はなく、なんとか女性を跳ねずに済んだことを感じた。
…………良かった。
全身に安堵の汗が滲み出る。と同時に、彼女に文句のひとつも言ってやりたくなった。
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