Vol.39 手と手が触れるだけで

手と手が触れるだけで

昂っていたお互いの気持ちが落ち着き、私たちは夕飯の食材を買いに近所のスーパーへ買い物に出掛けた。

本当はどこかに外食する予定だったけど、少しでも２人きりでゆっくり過ごしたかったから。

私の提案により、今日の夕ご飯は豚の生姜焼きを作る事になった。

スーパーに向かうたった10分という短い時間も、私たちはずっと手を繋いで歩いていた。

きっと、まだ少しだけ不安だったから。

ささやかな肌の触れ合いによって、私たちはお互いの気持ちが通じ合っている事を改めて確認していたのかもしれない。