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「はぁい!いらっしゃい。」 奈々が玄関から顔を出す。 そして彼女の奥からは、小さな子どもの話し声が聞こえていた。 「ごめんね~! さっきチビが起きちゃったの。 でも、気にしなくていいから!」 奈々の娘はまだ1歳半。 俺たちが何をしようが、きっと理解する事はできない。 だけど・・・。 「さすがに子どもの前じゃまずいだろ? アニメでも見せて、せめて気を散らしてやれ。」 俺は奈々の家に上がり、絵本をパタパタ開いて遊ぶ娘に声を掛けた。 「よぉ。華凜。元気か?」 奈々の娘の名前は“華凜”。 母親に似て色黒だが、目鼻立ちのはっきりした可愛い女の子だ。
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