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今日は特別忙しい日だった。
食事や排泄、入浴の介助。
それから検温と血圧測定。
薬のチェックや病室の湿度管理もしなければ。
「マジ怠ぃ~・・・。」
今日は仕事をやる気が起きない。
同じシフトの先輩たちは使えない奴らばかりだ。
後輩の俺に仕事を押し付けて、のうのうとネットゲームで遊んでいやがる。
「高良、消灯後の見回り行ってきて。」
「・・・はい。」
詰所にいるよりも見回りで病棟内を徘徊している方が気楽だ。
先輩たちに余計な気を遣わずに済むし、ナースコールによる新たな面倒事を請け負わなくてもいい。
病棟の廊下を歩き、リネン室のドアを開けた俺。
ここは1年程前に見付けた絶好のサボリ部屋だった。
明るい照明が点くし、携帯電話の電波状況も悪くない。
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