疑問

10/20
前へ
/20ページ
次へ
(カナデ…大丈夫かな…) ベッドに寝転んで最初に思い浮かんだのはカナデのことだった。 カナデは、生き残っているのだろうか…。 それだけで頭がいっぱいになっていた。 今までは、陽気に部屋に入ってきてくれたが、今回ばかりはそうはいかない。 しばらくお互いの安否も分からないのだ。 それは心配になるのも当たり前だ。 (あと2日…その間、カナデに会うこともできないのか…) ケータイで連絡をとるというのも考えたが、メールは届かない、電話は繋がらない。 ケータイとして機能しているのかも怪しい。 (くそっ…!いい方法はないのか…!) いい策は浮かばなかった。 諦めてすこし休憩することにした。 ………………。 ………………。 ………………。 ~カナデside~ ふぅ、なんとか生き残れたけど、さすがに今日みたいなのはやめてほしいなぁ…。 まあ、勝てたんだからいいか♪ さーて…ミズキでもいじりに行こうかな? そう思ったボクは、自分の部屋に戻る前に、ミズキの部屋に行くことにした。 そこで明らかな違和感を感じた。 (シャッターが……降りてる) ミズキの部屋に行くための唯一の道だというのに、目の前にはシャッターが降りていた。 こじ開けられそうにもないほど、頑丈なシャッターだ。 (大丈夫かな…ミズキ…) 急にミズキのことが心配になってきた。 ……ミズキは、無事なんだろうか…。 そういう事が頭を巡っていた。 (まあ…ミズキは強いから大丈夫!) そう思えるのは、ボクがミズキを信じているから。 そして、また会うことを祈っておこう…。 たとえ、どちらかが死ぬハメになっても……。 ボクは、ミズキに生きていてほしい。 ボクは死んでも構わないけど、ミズキがいない世界なんてあり得ない。 ボクが最後まで生き残ったら、迷わずにこの命をミズキに捧げる…。 そう決意した。 (まあ…あと一勝しないと話にならないし…頑張ろうかな!)
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加