第3話

疑問

……いつの間にか地の文が変わっていたような……？
まあ、気のせいだろう。
一眠りして時間を見ると、すでに午後１０時を過ぎていた。
結構眠ってしまったため、今から寝ようという気は起きなかった。

（あと２日…それでこのデスゲームが終わるんだ…！）

予定よりも相当速いペースだが、早く帰れるのならばいい。
最も、帰ったところで居場所なんてないのだが。
実家から勘当されて独り暮らし。
さらにニートとして生活をしている俺には、社会的な居場所もないのだ。
そんなことも忘れてしまうほど、この場所で起きていることは苛酷なのだ。

（明日は…事実上の決勝戦…か）

明日はソラと戦うことになる。
仲間としては頼もしいが、敵になると厄介だ。
あそこまで上級職を使いこなすのは、さすがに難しい。
さらに問題なのは武器のチョイスだった。
今日は一人目しか見れていないが、その一人目ですら人気のない大鎌を使っていた。
それも完璧に。
大鎌はリーチが長い反面、きれいにヒットさせないと威力が激減する。
例えば、一発の攻撃で100のダメージだったとする。
うまく刃の中間あたりで攻撃すればダメージは100。
しかし、これが先端になってしまうと、ダメージはおよそ4割の40しか当たらない。
それほど、難しい武器なのだ。
しかもあとの二人がどんな武器を使ってくるのか分からない。
そこも大きな問題点だった。

（ひとまず…全力を尽くすしか…！）

もうすぐ終わるんだ。
このイカれたゲームも終わる。
そう思うと、楽になれた気がした。

（あれ…急に…眠く…？）

緊張が解けたのだろうか、さっきまで寝てたはずの俺は、深い闇のなかに意識を手放した。

……ゲーム終了まで、あと２日。