1人が本棚に入れています
本棚に追加
気がついた時には、俺は最後の一人になっていた。
何が起こったのかすら分からなかった。
それほどソラの動きが人間離れしていたのだ。
(こいつ…こんなに強かったのか…!)
改めて突きつけられた現実に、俺は絶望した。
レベルの差がありすぎる。
こんなやつとまともに戦って勝てるわけがない。
「……さてミズキ君?もう降参かな?」
「…まだだ…!諦めるわけには…!」
ソラのため息が聞こえた。
「君は本当にバカなのかい?勝ちを譲ると言っているのに…」
「……認めない…!そんなのでお前に勝っても、勝利とは言えないんだ…!」
「……10秒で、君に抗えない現実を見せてあげようか?」
「やってみろよ!」
俺はソラより先に行動をおこした。
もちろんダメージを与えるために。
しかし、ダメージを喰らったのはまたしても俺だった。
「……もう、降参してくれ…!」
ソラの悲痛な叫び。
「僕はもう、人が死ぬのは見たくないんだ…!」
「ハァ…分かったよ降参だ…。その代わり、ひとつだけ聞かせてくれ」
「……なんだい?」
「この前も聞いたが…この中に、『死なない奴』がいるらしいんだが…本当に知らないか?」
最初のコメントを投稿しよう!