疑問

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「それじゃ…協力しようか、ミズキくん?」 「当たり前だ!」 「「速攻で終わらせるぞ…!」」 珍しく意見が一致した。 「まあまあ…焦りなさんな…」 「そうだぜ?時間はたっぷりあるんだからなぁ…」 相手の若い二人組は言った。 どちらも25歳くらいだろうか、しかもお互いに知らない者同士ではないようだ。 (そりゃチームワークもあるわけだ…) 一人で勝手に納得した。 こいつらに倒された奴らが苦戦するのも分かる。 「……ソラ、作戦は?」 「そうだな…それぞれが一人ずつ担当しようか」 「それいいな、じゃあ俺は色黒の方で」 「おっけー…じゃあ始めようか」 「「この腐ったトーナメントを、終わらせるぞ!」」 ……バトル開始。 同時に俺たちは動き始めたが、レベルの差でソラの方が速い。 それはもう、反応できない程に。 そして一人目を吹き飛ばした。 ……かのように見えた。 「……っ!」 (あのソラが…驚いている…!?) 何が起こったのかというと、二人でガードをしただけだ。 しかしタイミングが良すぎる。 一人は動いていないが、もう一人……色黒の方は走りながらソラの攻撃にあわせていた。 相当の技術があると思っていい。 (これは…ソラでも苦労しそうだな…!) 俺はそう思い、ソラに加勢しようとした。 しかし、ソラがそんなことをさせてくれなかった。 ガードをさせたのは一瞬、その数瞬後には二人とも吹き飛んでいた。 ソラの手によって。 「はあ!?」 「何が起こったんだよ?」 「簡単なことだよ。ムリヤリ貫通させただけだからさ」 ……?どういうことだ? 「君たちは二人でガードした。だけどカバーすることができたのは前面だけだったんだ。」 うん…さっぱりだ。 「「それがどうしたんだよ?」」 ……あっちも声を揃えて言ってやがる。 息ピッタリだなこいつら!? 「僕の武器は鎌。つまり攻撃の仕方によっては、後ろまで攻撃ができるわけだよ」 そうか…!盲点だった! 鎌の大きなメリットは攻撃の高さと、その特徴的な形状。 曲がっている武器だからこそ、単純なガードは貫通しているように見えてしまう。 それにしても、そんな特殊な武器を使いこなせるソラの腕前もたいしたものだった。 (さすがは日本ランキング1位だな…) こんなときに、改めてこいつの凄さを知ったのだ。
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