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(っていうか、こんなのに喧嘩売ってたのか…)
同時に今までの自分が恥ずかしくなった。
必ずこいつには勝てると思っていたが…一気に自信を無くしてしまった。
二回戦のフレイヤもだったが、ソラも相当の化け物、ということだ。
(でも……これが味方で良かったよ…)
今ならそう思える。
ソラがいなければ、自分はここにいなかった。
今のこの状況はもちろん、一、二回戦の前で俺を煽り、絶対に負けないと思わせた。
(……ったく、どこまで策士なんだよ!)
「ミズキ君、考え事中に悪いんだけど、できれば集中してくれるかい?」
「すまん…」
「よし…じゃああと二人づつ、頑張ろうか!」
「ああ!」
気合いを入れ直し、相手の方を向いた。
どうやらまだ余裕があるようにみえた。
「………………」
「……………………?」
何かを話しているようだった。
あいにく会話を聞き取ることはできなかったが…。
「あー…仕掛けてくるかもね…」
「……一応、警戒しておくか…!」
ソラが思っていた通りだった。
相手はバラバラに突進してきた。
ただし、目的ははっきりしていた。
……二人とも、迷わず俺に向かってきたからだ。
「悪く思わんでくれよ…!」
「お前の方が弱そうだからな!」
……なんだよ。理由そんだけかよ。
下らねぇ…焦って損したわ…
俺は最初に突進してきた方に肘鉄を入れた。
これは相手の動きを止めるだけではない。
この行動の真の目的は…
相手の武器を遠くに動かすことだった。
直接相手の武器を触ることはできないが、攻撃して動かすことならできる。
つまり、俺は相手の武器を蹴飛ばすことで、遠ざけることにしたのだ。
隙は一瞬しか生まれないが、実際、一瞬あれば十分だった。
「はい。これで二人目かな?」
相手の後ろに回り込んでいたソラが、同時に叩きのめした。
これで、相手は一人ずつ残っているまでとなった。
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