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「東海姫氏国?東海?」
唐土から見て、東海である。
「おい。これはどこの国のことだ?どこを予言しているのだ?」
「さあ」
どこでしょうと樺殿も首を傾げる。
「東海と言ったら、日本だろう?」
「そうですね」
頷く樺殿。
そこで、花園殿は盛大に溜め息をついた。
「おい、聞いているのだぞ。何なのだ、その返事は。おことが持ってきた予言書なのであろうが」
「す、すみません……私も、ついさっき押し付けられたので、何が何やらさっぱりわからなくて」
「押し付けられた?」
いよいよ花園殿は、顔を疑問でいっぱいにさせた。
「誰に?どういうこと?」
「はあ。私にもさっぱりわからんのです」
「わからんって……」
樺殿にわからなくて、どうやって花園殿に理解ができる。
そこで、樺殿はことのいきさつを、一から丁寧に語って聞かせたのだった。
なるほどと、それでようやく花園殿にも話が見えた。
「縦目阿闍梨か……何か深い意味がありそうだ」
法真が樺殿に預けに来たのなら、必ず理由があるはずである。
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