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この国土に、かつて様々な小国が存在したというのか。
花園殿は驚いた。
「もしかしたら、神代の太古に存在した小国の中に、姫の国があったのかもしれません」
「滅びし小国……」
「あるいは、渡来人達の国かもしれない。渡来人達の国の中には、滅び去ったものも少なくありませんからね」
「なるほど、大変勉強になりました。ありがとうございます」
花園殿は深く礼をした。
洞院殿は、何故そんなことを訊くのかとも、何に書かれていたのかとも聞かず、「いえいえ」と、ただ笑顔で返事したのみであった。
東海姫氏国。
もしや、日本の中に、かつて周の末裔国が存在したのではあるまいか?
何故かそのような想像を膨らませて、唐土の書籍の中に、日本と周を結びつけることが書かれているものがありはしないかと、花園殿は様々読みあさったのだった。
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