崩壊の中の幸せ

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蓮の話を聞くかぎりこのまま会わないでいたいなと思っていると、突然廊下が騒がしくなった。 「れーんっ!!!一緒に!!昼食べょぅ……」 耳鳴りがおきそうなほどでかい声でつい耳を塞いでしまった。 音源地には、変な黒い頭に分厚いメガネかけた男の人、マリモさんだ。 そっと耳から手を話すと、音が鼓膜を激しく揺らしだした。 「おい嘘だろ!?マリモ野郎ついに教室まできやがった」 そんな中、若干死にそうな顔しながら、蓮は慌て僕の手を掴みもう一つの扉、黒板側から廊下へ飛び出した。 「おい待てよ!!」 後ろからマリモさんの少し怒ったような口調が聞こえたかと思ったら、足音が近づいてきた。 蓮もマリモさんが迫っていることに気づいたらしく、いきなりごめんっと言い僕を担ぎ猛スピードで走り出した。 「蓮!速い!速い!」 陸上部ということもあり、とにかく蓮は足が速い。 じわじわとだけどマリモさんが遠ざかっていく。 ついでに僕の意識も遠ざかりそうだ。 運動神経抜群の蓮は階段を下りたり上がったりしてぐるぐる校内を走り回る。 これは流石にきついらしく、しつこくつきまとうマリモさんも息があがってきているよう。 あーこのままなら何とかなりそうってところで、蓮が突然止まった。
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