第1章

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《やべー!宿題やってねー!》 《俺も!誰か見せてくれ!》 《もうー、男子うるさいー》 《宿題くらいやってきなさいよ!》 中学校に入学して1ヶ月が経った。 ゴールデンウィーク明けの教室は、連休中の宿題をやってきてない男子と、それを咎める女子の声が混じりあっていて、思わず耳をふさいだ。 まだ学校になじめてない僕は、4月に行われた宿泊学習の前日に風邪をひいた自分を呪った。 宿泊学習終わりの週明け、学校に行くとすでに男子も女子もグループを作っており、そこに自ら仲間にいれと言う勇気はない。 部活も、サッカー部や野球部のように目立つ運動部に入部していたら別なんだろうが、あいにく僕は運動は破滅的に苦手。 結果的に入部したのは、顧問と部員以外は存在を知らないんじゃないかって思う昆虫学部。
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