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「はーい、みんな席についてね。今日は事情があって学校に来るのが遅れてしまった仲間を紹介するから。佐久間君、入って」
佐久間君、と呼ばれたクラスメートが教室に入ってきた瞬間、自分のなかで時間が止まった。
心配になるくらい白い肌、薄茶色の髪に、黒目が小さい代わりに茶色が大きい瞳。
まるで同い年のクラスメートには思えない。
「佐久間くんはお父様が外国人でお母様が日本人のハーフです。なので髪の毛の色等は皆さんと違いますが、仲良くしてください。じゃあ佐久間君、自己紹介お願い」
「…佐久間あきらです。よろしくお願いします」
事務的な短い自己紹介を終えると、担任は僕のとなりの席に座ってと促した。
女子も男子も佐久間君に見惚れている。
もちろん僕もその一人だ。
「よろしく」
「え?あ、うん。よろしく」
突然話し掛けられて動揺した。
クラスメートと話すのは佐久間君が初めてかもしれない。
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