第1章

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*** 何だろうか… 麻美には内緒で話があると、 麻美が降りて来ない駅のロータリーで待ち合わせ。 麻美の両親と。 昨日帰ったばかりで… なんかやらかしたか?俺。 いや。心当たりはない。 まさか やはり大事な娘を俺みたいな孤児にはやれないと言うんじゃないだろうな… あの人たちだけはそんなこと言わないと思ってたけど、 実際、大人って… そういう顔を隠すのが上手だから。 昼過ぎに待ち合わせた。 朝一に電話がかかってきて、大学に顔を出して、 明日からの講義の組み立てを考えて… 昼からも顔を出しておきたい所があったけど、 それをやめてここに来ている。 不安な気持ちしかない。 だっていい話な訳ないから。 麻美に内緒でと言うんだから。 すぐに麻美の父親の車がロータリーに入ってくるのが見えた。 母親も一緒だ。 余計に緊張する。 「すまないね。 場所を替えよう。 乗って?」 後部座席に乗り込む。 「あの。 今日は何か…」 なんの話なのか、 早く言ってくれ…
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