第1章

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「あの…」 何なのか。 お昼がまだだと言うと、 個室の和食屋さんに連れて行かれた。 とりあえず食べなさい。と、 運ばれてきたもの凄い料理を前に、 居たたまれないまま、 箸を付ける。 味なんてわからない。 なにを言われるのか… 別れろとか言われたら、 イヤだと答える。 どんなに麻美を愛してるのか、 麻美が俺を、どんなに想っているのか、 解ってもらえるまで、 訴えるつもりだ。 だけど、 学校の話とか、 将来の目標とか、 あの犯人の話とか。 そんな話をしながら、 箸を置いた。 「今日、来てもらったのは…」 父親が、食後のコーヒーが運ばれてきて、 口を開いた… ゴクリと唾を飲み込む。 唇が乾く。 コーヒーを口に運んで、 父親の顔を見る。 父親は俺の顔から、 視線を外した… 「親子鑑定を受けてほしい。」 言ってることの意味が解らない…
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