第1章

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「2日、会えなかっただけじゃん。」 わざと何でもないように言う。 「一日だって会えないのはイヤ。 声だけでも聞きたかったのに、 電話も通じないんだから。」 ちょっと怒ったように。 「大学で電源切って、忘れてた、 ゴメン。」 本当は、あの研究所から忘れてた。 とてもそんな余裕なんかなかったから。 「どっか行くの? こんな時間に…」 不安そうに聞く。 不安なのは俺の方。 「こんな時間に一人で… 危ないじゃないか。」 つい、そんなことを言ってしまう。 「そこまで優子と一緒だったんだもん。 毅の部屋の電気が点いてるからって、 したで別れたの。 送ってもらおうって思って。 ママには優子と一緒だって電話しておいたから。 ねえ、どこ行くの?」 俺の気も知らないで… だけど、 勘付かれちゃいけない。 「ちょっとコンビニ。 まだ食べてないんだ。」 「私も行く!」 俺の腕にしがみついて… 「毅? 何かあった?」 俺の顔を見ただけで、 何か感じているのだろうか… 「いや… ああ… 大学、厳しいんだ。 目一杯やんないと。」 そう言って誤魔化す。 おにぎりを二つ。 それだけ。 麻美は… ロールケーキ買ってた。
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