第1章

22/40
前へ
/40ページ
次へ
「ママが何か言ったの…? ママも、ここ数日、 なんかおかしい。 ママに何か言われたの…?」 感じ取ってる… 麻美は何か… 感じてる。 送ってくよ… あまり遅くなったら、 どんな勘ぐりが入るかわからない。 だから、 余韻を楽しむこともなく、 部屋を出た。 「お母さんが? 何を?」 ハンドルを握りながら、 誤魔化す言葉を発するけど、 上手く誤魔化せてるかわからない。 「ママは小さい頃からいつもそうだった。 友達が出来ると、 あの子は危ない遊びをするから、遊んじゃダメとか、 遅くなって帰ったら、 外で遊んじゃダメとか。 そんなことばかり言うから、そのうち友達が居なくなって… 寂しかった。 毅も、 私とずっと一緒だったから、 ママがヘンな心配をして、 私と付き合うなとか… 言ったんじゃないかって。 もし、 そんなこと言ったのなら、 ママに言うから。 子供の頃の友達とは違う。 毅は一生、一緒に居る人なんだって。」 あの人… そんな人だったのか。 「だけどね? ママはパパとは再婚でね… お兄ちゃんが居たんだって。 小さい頃に亡くなったって。 だから、 私を過保護にするの。 もし、 そんなこと、ママが言ったのなら、 そんな理由があるからなの。 恨まないであげてね? 毅のことは私が守るから。 だから… そんな顔、しないでね…」 俺はどんな顔をしてるんだ…
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

42人が本棚に入れています
本棚に追加