第1章

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ひと段落したら連絡するから。 それまで、ちょっとの我慢だ。 そう言って麻美を車から降ろした。 「それまで、麻美もちゃんと勉強するんだぞ?」 まだ一緒に居たそうな顔をしてるけど、 これ以上一緒に居たら、 麻美を帰したくなくなる。 さらって逃げて… そんなことはしちゃダメだ。 麻美から親を取り上げるようなこと… しちゃいけない。 親がいない寂しさは、俺が一番知ってるんだから。 「わかった… 毅も頑張ってね…?」 寂しそうに手を振る。 いい子だ… いい子…過ぎる。 無理矢理笑顔を作って、車を発進させる。 抱いてしまった… まだ、違うとはっきりしたわけじゃないのに。 その罪悪感から車のスピードを上げる。 死んだか… あの人は、 自分が捨てた子供のことを、 そんな風に想っているのか。 もし、俺があの人の子供だったら、 生きてた俺は… 迷惑なんだろうな。
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