第1章

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女なんだと想う。 私はこんなに女なんだと。 毅と一つになれると想うだけで… 体の芯が熱くなり、 「早く…」 と勝手に言葉が出てしまう。 早く…なに? いじわる。 「早く…来て…?」 私の方から懇願してる… 気持ちいいだけじゃない。 安心するんだ。 毅の瞳に… 私がいっぱいに映ってるのが。 その、 切ない表情で… 私から視線を外さない毅の瞳が、 言葉にはできない気持ちを表してるようで… ずっとこうしてたい。 「もう外、暗くなっちゃってる。」 毅の大きいスウェットを着て外を眺める。 5時過ぎだというのにもう暗い。 少し遅いお昼には毅がパスタを作ってくれた。 私もサラダのお野菜を切ったりしたのよ? それからも… ウフフ… ベッドの中で何時間も過ごした。 何度もキスして… 何度も愛し合って。 ふつうの恋人同士って、 やっぱりこうなのかな… 二人で居ると、 したくなっちゃうのは、私たちだけじゃないはず。 「明日から学校だけど… 帰りには無理だな。 店に寄ってる時間はない。 まっすぐ帰っても暗くなる前ギリギリだろ?」 え? 毎日会えないの? 「休みの日は会えるだろ? 麻美が休みの日には店で会えるし、 俺がバイトの休みの日には送っていける。 日没が早い間だけだよ?」 えー…やだ…
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