第1章

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* * 「どうした? こんな時間に。」 帰ってきた夫がリビングに入って声をかける。 もう日付が過ぎてる。 いつもならもう寝てる。 朝が早いから。 年が明けてから新年会が毎日続いて、 夫も疲れてる。 麻美は帰ってきてすぐに自分の部屋に入って出てこない。 音楽が少し漏れてるから、 まだ寝てはいないんだろう。 夫が帰ってきたら、 話そうと決めてた。 麻美が電話を掛けてきたときに、 決めたんだ。 広げた荷物も片づけて、 麻美が帰ってきても、気付かれないように。 私一人の力じゃ、 もうどうすることもできない。 夫にどんなに罵られたとしても、 麻美と毅くんを今までの関係で居させる事は出来ないんだ。 「あなた… 話があるの。 麻美に聞かれたくないから、 ちょっと外、出れますか?」 「飲んでるし… ここじゃダメなのか?」 ごめんなさい。 どうしても… お願いします。 そんな私の表情に、 ただならぬ何かを感じたのか、 わかった。 と、 水を一杯、飲んだ… 私は階段の下から麻美の部屋に声を掛けた。 「麻美ちゃん? 明日の卵、買うの忘れたから買ってくる。 早く寝なさいよ?」 はーい。 機嫌のいい返事が返ってくる。 私の軽自動車に夫と乗り、 静かに車を出した…
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