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「だけど、
会えたんだろ?
これからでも遅くない。
精一杯の愛情を掛けてあげよう。
ちょっとずつ離れてたときの溝を埋めれば…」
あなたは本当に優しいのね…
だけど。
「その子は…
やっと会えた、その子は…」
言わなきゃ…
今、言わなきゃ。
夫は優しく見つめてくれてる。
だけど、
その目はきっと怒りに変わる。
解ってる。
「毅くん…
毅くんなの。」
やっと言えた言葉に、
夫は理解できないという顔で、私を見る。
頭を傾げながら、
「毅くんは、
ご両親は事故で亡くなったと言ってたじゃないか。
冗談だろ?」
首を横に振ることしかできない。
「ちょっと待って?
ちゃんと説明してくれないと、
信じることは出来ない。
だって…
毅くんは麻美と、
愛し合ってる。
男と女の関係だぞ?
兄妹で愛し合ってるという事になるじゃないか。」
少し、声を荒げる。
解ってる。
だから…
「別れさせなきゃ…だめ…なの…」
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