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「別れさせるって…
あのふたりは、自分自信以上にお互いを想い合ってる。
それを引き離すって…
どうなるか
なあ、ちゃんとした証拠があるのか?
全部話してくれよ。
何かの間違いかもしれないし、
毅くんは、麻美の将来の伴侶として幸せにしてくれると思ってたんだから。」
あんなに麻美のことを大事にしてくれる人は、
もう二度と現れないかもしれない。
だけど、
きっと
それは…
血が引き寄せたもの。
血が騒いだんだ。
同じDNAを持ったお互いに出逢ってしまったから。
毅くんが目を覚まさない時に、
ご身内を探して、
あの施設にたどり着いた所から、
話し始めた…
「なんて事だ。
あの傷害事件がなかったら気が付かなかったというのか。
気が付かなかったら、
あの子たちはそのうち結婚して、兄妹と知らずに家庭を持って…
知らなかった方が幸せだったかも知れないな…
だけど。
まだ、
そうと決まった訳じゃない。
大勢の子供たちが居る施設で、
同じような境遇の子供が居たって不思議じゃない。
それに、
20年以上も昔のことだ。
持ち物だって誰かのと入れ違えになってる可能性だってある。
何かの間違いだと信じて…
確かめて見るしかないな…」
確かめる…?
「ああ。
毅くんだけには本当のことを話して、
親子鑑定を受けてもらおう。
違う可能性だってあるし、
近頃は少し昔と比べたら増えてるらしい。
親子鑑定。
本人の承諾が条件らしいから、
話さないわけにはいかない。
麻美には内緒で。
違ってたらそれでいい。
だけど、
本当に麻美の兄妹だったら…
全力で、ふたりを支えていくしかない。
その覚悟は…
出来てるな…?」
はい…
もっと罵られるかと想ってた。
もっと激しく感情を表すかと想ってた。
なのに、あなたは…
本当に、
ごめんなさい…
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