COSMIC☆COMEDY☆R

ｎｏｉｓｅ ｃｏｆｆｅｅ

「ズズーーー！」

ホットコーヒーをこんな風に汚ならしい音を立てて飲む男がいた。きっとまともな教育を受けさせてもらえなかった可哀想な男なんだろう。

「ズズーーー！」

私は、男に同情した。

「ズズーーー！」

しかし次の瞬間、私は思った。だが、男は大人だ。立派な大人だ。果たして教育の問題なんだろうか？

「ズズーーー！」

何が良い事で、何が悪い事か、分別の出来る大人の男だ。

「ズズーーー！」

いや待て、早まるな私。早まるんじゃない。もしかしたら男はバカなのかもしれない。自分中心で世界は回っていると思い込んでいるバカなのかもしれない。そのくせ、みんながやっているからと理由にならない理由を口にするバカなのかもしれない。

「ズズーーー！」

それならば、少しは納得がいく。最低限のマナーも知らずに喫茶店でホットコーヒーを飲む愚か者。

「ズズーーー！」

死んだって心から悲しむ者など存在しない風貌。自分流のライフスタイルを貫き通して掛かる迷惑を省みないバカ面。

「ズズーーー！」

うっせんだよ！グズ！

「バン！バンバンバンバン！！」
「うっせぇな！おっさん！」

と、私は銃を持っていない。