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「ぶぉふ!」
地下鉄のホームで電車が来るのを待っていたら、いきなり顔面殴られた。両方の穴から出る鼻血。
「なにすんですか!?」
「良かったな。」
僕を殴った白いスーツのメガネの男は、笑いながら常識では考えられない一言を発した。
「良くないですよ!」
当然、僕は激怒した。
「ほら。」
白いスーツのメガネの男は、白いスーツの内側のポケットから、白いハンカチを出し、僕に手渡した。
「……………。」
僕は、そのハンカチを無言で受け取り、鼻を押さえた。頭の中は、パニックだった。白いハンカチは、みるみる僕の血で赤く染まっていった。
「良かったな。」
「だから何が良かったんですか!この状況で良かった訳がないでしょ!」
「いや、この状況が良いんだ。」
「はあ?とにかく!良かったなじゃなくて!謝ったらどうなんですか!」
「謝る?私がか?」
「他に誰が居るんですか!」
「君に感謝される事はあっても私が謝る道理はないだろ。」
「あるだろ!いきなり殴って!鼻血出てるじゃないか!」
「良かったな。」
「肩をポンポンすんな!」
「血が赤いって事はだ。君が宇宙人ではないって事だ。」
「殴らせろ!」
「断る!」
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