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「ただいま」
「お帰りーってなんで目赤いの!?」
あの後すぐに家に帰ってきたので目が赤いままだっけ
「・・・・あいつに彼氏・・・できてた」
「・・・・そっか、僕たち帰ってくるのが遅かったのかな」
やっぱし兄弟、おんなじ事考えてたか
「それに俺ら死んだことになってんぞ」
「えっ!?なんで!?」
「多分11年前に起きた飛行機自爆テロだな」
俺が言っているのは11年前に起きた事件である
当時、親父の仕事の都合で海外に向かい際、乗ろうとしていた飛行機がテロリストに襲われてしまった
俺らはその飛行機に乗れずに、次の飛行機に乗ったため無事だった
「それじゃまさか・・・みーちゃんにも彼氏が!?」
「知らん」
バカ弟の暴走を横目で見ながら自室へと戻っていく
あいつの美奈子好きには困ったもんだ・・・
「全く、兄さんには困ったなぁ・・・奏ちゃんに彼氏できたからって凹んじゃって、さて今日は兄さんの大好物作って元気付けないとね♪」
こんな独り言、俺は知らない
「・・・・はぁ」
溜息を一つを吐き、ベットに寝転がる
あいつの前では弱音を吐かなかったが実際凄いダメージを受けている
「俺、何のために11年間頑張っていたんだか・・・」
いや、頑張ってきた理由はある
奏とあの彼氏君、美奈子と千尋を応援するために
「・・・・けど」
諦められない、絶対にあいつを手に入れたい
そう思うのは俺の性格上、仕方がない
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