第3章 鳥の国

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アナゼリアは少し表情を曇らせ、静かに語り始めた。 「テオたち、あなたたちがこの国に来たのは単なる偶然ではありません。実は、エアリアには今、古の魔人が復活しようとしているのです。その名は…ワオン・フーフー。」 テオたちは驚きの表情を浮かべ、アナゼリアの言葉に耳を傾けた。 「ワオン・フーフー…その名は聞いたことがあります。風の国に伝わる古の災いだと…」 テンシルが学者としての知識を思い出しながら呟いた。 アナゼリアは静かに頷き、続けた。 「そうです。ワオン・フーフーはかつてこの地を恐怖に陥れた魔人であり、風と空を乱す存在。封印の力によって長い間その力を抑え込んできました。しかし、最近になってその封印が揺らぎ始めているのです。恐らく、イマラスの封印が解けたことが何かしら影響を及ぼしたのでしょう。」 「そんな…封印の魔人が復活しようとしているなんて…」 チオが不安そうに言いながら、テオに視線を向けた。 「そう、テオ。あなたたちの持つ光神の加護が必要なのです。ワオン・フーフーの封印はエアリアの都心の深層にあります。もし復活すれば、私たちの国だけでなく、世界全体に大きな被害が及ぶでしょう。」 アナゼリアの言葉には、深い悲しみと焦りが込められていた。 テオはアナゼリアの目を真っ直ぐに見つめた。 「つまり、僕たちが持つ光神の力でその封印を強化しなければならないんですね。わかりました。アナゼリア様、僕たちも全力で協力します。」 「ありがとう。あなたたちの決意は頼もしいわ。」 アナゼリアは優しく微笑みながらも、心の中には確かな危機感が宿っていた。 「ワオン・フーフーの封印が完全に解ける前に、光神の力で封印を再び強固にする必要があります。私は風を操り、封印を補助することはできるけれど、魔の力に対抗するためにはあなたたちの光の加護が必要なのです。」 人犬が少し緊張した表情で声を上げた。 「復活したら一大事じゃねぇか!俺たち、そんなやばい奴と戦う準備ができてるのか…?」 ミエラが冷静に言い返した。 「あんたみたいな犬っころはすぐ吹き飛ばされちゃうかもね~。でも何も準備ができていないわけじゃない。テオ、私たちはここまで来たんだから、絶対にやり遂げられるわ。」 テオは深く息を吸い、冷静に仲間たちに言った。 「うん、僕たちはやれる。アナゼリア様、僕たちを信じてください。ワオン・フーフーの復活を阻止して、この国を守ります。」 アナゼリアはその決意を受け止め、再び風の杖を手に取った。 「ありがとう、テオ。そして、あなたたちも。私たちは共に力を合わせ、この脅威に立ち向かいます。エアリアの風は、あなたたちの行く道を切り開くでしょう。」 こうして、テオたちはアナゼリアと共にワオン・フーフーの封印がある都心の深層へと向かうことを決意した。新たな仲間とともに、光と風が交わる時、彼らは再び試練の中へと足を踏み入れるのであった。
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