第1章 僕と異界猫の出会い

11/14
前へ
/167ページ
次へ
「あ、泊まるなら食事も用意しないと!嫌いなもの、ありますか?」 「チーズ・・・・・・チーズが大ッ嫌いだ」 言い捨てる。乱暴な言葉に聡は驚いたようだ。だが、穏やかに承諾の意を伝えた。 「のっぺら、さっきからなんか言いたそうだが、なんだ?」 のっぺらぼうがニヤリと笑ったように猫は感じた。 「クヴェっつぁん、肩の模様、なんすか?」 「クヴェつぁんって、なんだ。さっきも模様ッつってたな?なんの模様だ?」 猫は肩をみようとした。しかしいくら肩をみようとしても、模様の一部は完全に視界の外で見えない。 聡は見かねたのか鏡を取り出して、猫の模様を映して見せた。鏡に龍の模様が映る。猫は模様をみたとたん、声を強ばらせた。 「・・・・・・なんで、なんであるんだ?なんで、なんで・・・・・・」
/167ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加