第1章 僕と異界猫の出会い

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(なんなんだ、あいつらは?この姿はなんなんだ?) ギリギリと歯噛みしながらも、首をかしげた。 (なぜ猫だ?オレは・・・・・・) 「・・・・・・ん?猫?」 後ろから聞こえてきた声に、猫は全身の毛を逆立てた。 聞こえてきた声の主は猫の様子に目もくれず、のんびりした声で言った。 「旦那ぁ、猫がいますぜぇ。可愛らしいわぁ」 「・・・・・・怯えてますね」 逃げなければと思っても体が強ばる。猫はもう、捕まると諦めた。あの男たちに・・・・・・ 「ですが大人しいでっせ? 旦那ぁ」 一人の男は猫を抱き上げて撫で始めた。予期せぬことに驚いた猫は毛を逆立てて暴れようとしたが、男は離さなかった。 「あなたの姿にビビっるだけでしょ?」 (先程追いかけやがったやつらと、声、違うな) 思いきって猫は顔をあげる。抱き上げる男の顔が猫の瞳に映る。その瞬間猫は叫んだ。 「ギャァァァアア!?顔がねぇ!?」
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