第1章 僕と異界猫の出会い

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「なんなんだ?あいつ・・・・・・」 「不思議な方でやんしょ!」 (お前がな・・・・・・) 男に向かって言いかけた言葉を飲み込む。猫は腕からするりと抜け出した。興奮している男の方へ振り返り、別の言葉を低くかけた。 「名乗れ。オレは・・・・・・」 「お、肩になんかの模様あるんすね」 「話を聞けぇええ!!!!!!」 叫びあげた猫は全身でゼェゼェと息をした。のっぺらぼうはつまらなさそうに口を尖らした。 「大声でなくとも聞こえまっせ・・・・・・」 「てめぇが聞かねぇのが悪い。オレは、ウァッザー・クヴェルトという。お前の名は?」 「面白い名前ですなぁ。わしっすか?わしゃあ、のっぺらぼうの権三でっせ」
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