第1章 僕と異界猫の出会い

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「妖ではない・・・・・・のですか」 「恐らく、お前らが考える、な。罪があるとされて飛ばされたらこの様だ」 猫は自らを嘲るように告げる。 男は顎に手をあてた。のっぺらぼうは興味深げに一匹を見つめる。猫は沈黙を嫌うように口を開いた。 「ここはオレのいた世界とは違うようだ・・・・・・。で、お前の名は?」 「・・・・・・僕ですか?私は渋川聡(しぶかわさとる)と申します」 「オレはウァッザー・クヴェルト。クヴェルでいい」 猫は顔をあげる。二人を睨み付けた。
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