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結局、その日… 私は祐介の火葬には間に合わなかった。 小さな白い壺に納まった祐介を 私はただ茫然と見つめ… そしてきつく抱きしめた。 祐介が私の胸の中にすっぽり納まってしまうことに とめどもなく涙が溢れた。 翌日に行われた葬儀には地元の知り合いはもちろん、会社関係も上司、部下に関わりなく大勢の方が参列してくれた。 それは祐介の人柄を如実に表していた。 お義母さんが私を親族席に招いてくれて、私を祐介のそばにいさせてくれた。 参列者の中には、本当に私を祐介の妻だと勘違いしていた人もいただろう。 もう半年… 少なくとも一年後には 本当にそうなっていたのかもしれない。 私は手を合わせてくれた人すべてに丁寧に頭を下げた。
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