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同じ高校生の男の子を、
まるでボールを蹴るかのように、男たちが痛め続けて、
「舞ちゃん…?」
一枚の雑巾みたいに グチャグチャになっている。
……そんな光景を、見て見ぬ振り?
「野乃ちゃん、……警察呼んで」
それって、
あの不良たちと人間性は
大して変わらないんじゃないの?
「舞ちゃん!行っちゃダメ!」
私は飛び出しそうな心臓を感じながら、
その悲惨な現場に足を向ける。
………____震えてる…
「なんだよ?
さっきから見てんじゃねーぞ」
ロン毛の髪を編み込んだ男に気付かれた。
その男 意外に若い………
「や」
…………" 止めなさいよ "
そう言いかけた私の横を、
スッと爽やかな風が通り過ぎて行く。
____"青いブレザー"
「そいつ、クラスメートなんだ、
もう解放してやってよ」
被害者の少年と、同じY高校の制服を着た男の子が、私を追い越して
男たちの中に入っていく。
____……中村くんだ。
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