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髪だけじゃなく、
全体がキラキラと、銀色に輝いて見える男の子。
" 夜だからかな? "
私は目を凝らして、その美しい少年を再度見てみる。
彫りの深い顔、
ちょっぴり中村くんに重なる部分もある。
「なに?」
私の視線に気付いた少年は、機嫌が悪そうにみえた。
「ここ、バイク…だめなんだよ」
「俺はいいんだよ」
ワケのわからない事ほざいてるけど、
どうやら日本人のようだ。
「車両進入禁止なのよ?」
「俺は管理人だからいいんだ」
「………」
銀色に見えた髪は、
よく見たら茶髪だった。
それにしても、
綺麗な男の子………____
「女の子は早く帰りな。
このへん、夜になると不良のたまり場になったりホームレスが来たりするから」
…………自分だってまだ子供のクセに偉そうに言うな、
なんて、思っていたら
綺麗な男の子は、
桜を再び眺めて
「しばらく、よろしくな」
と、愛しそうに言っていた。
………へんな子。
桜の管理人のつもり?
私は関わらないほうがいいと思い、足早に駅に向かった。
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