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「一年のとき、あいつにやられたんだよ」
イヤホンをつけたまま、私に背を向けて、
衝撃の告白をしたさくら。
「……なんで、そんなことに……?」
聞こえていないだろう私の問いにも、
「ね、さくら?!」
これから、何とか乗り越えていかなきゃいけない現実からも、
「うるさいな!」
背を向けてしまう気持ち
理解したいんだよ。
「………舞には分からないよ」
「……………」
イヤホンを外し、それを手のひらの中で
グチャりと握りしめて
「中身を見てもらえない私の気持ちなんて
わからないよ」
____……私たちは
また
距離を作る。
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