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間違いない____
あの個性強すぎるロン毛、
ガタイのいい身体。
喧嘩っ早そうな目つき。
" あいつ、逮捕されてないの? "
「剛と私は、もう別れたんだから、
馴れ馴れしくしないで」
さくらの拒否った態度に、
「は?」
" 剛 "という名前らしいロン毛は、ムカッとした顔を浮かべて、
すぐに、さくらの顔を手荒に掴んだ。
「誰が別れたって?」
剛の連れの男が、
「やめとけよ」
と言っても、
さくらの友達が、完全に引いてしまっても
短気な男なのか、さくらの顔を掴んだまま放さずに、
「女だからって容赦しねーぞ」
元" 彼女" に普通言わない言葉を吐いている。
「なに……あいつ…」
この間の
残酷な暴力シーンが頭の中に蘇る。
さくら
そんな男と付き合ってたの?
「電車で帰るから離してよ」
さくらが、剛の手を振り解こうと両手をかける。
「剛、店員がこっち見てどっかに電話してるぞ」
連れの男の顔がこわばり、その短気なロン毛を制して、
「チッ」
やっと さくらは解放されていた。
「また電話する、拒否ったら学校行くからな!」
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