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あいつが、
さくらを、きっと強引に連れ込んだんだ!
わたしは、
再度、ドンドン!!とトイレのドアを叩く。
「早く!開けて!」
「うるせ!そこで漏らせよっ!」
……こ、
こいつ――~~~!
携帯電話を取り出し、一瞬、警察でも呼ぼうかと思ったら、
♪♪♪♪♪♪
「あ」
こんなタイミングで中村くんからメールが…………
" 今駅にいるよ。
もう、部活終わった? "
「……こんなことしてる間に、進展チャンス逃しちゃう」
わたしは、藁をも掴む思いで、
" 公園で、あの編み込みロン毛が姉ちゃんに悪さしてる! "
と、
何にも、事情を知らない中村くんに助けを求めた。
嫌われるかもしれないし、
あいつに怪我させられた彼が来るわけないと思いながらも、
トイレのドア向こうでさくらが泣いているかもしれない、
そう思うと
ドンドン!!
「さくら!さくら!」
何とかしなきゃ!と
黙って待ってるなんて、できない。
ガチャン!
と、ドアが目の前をスライドし、
「さっきから、うるさいんだよ、バカ女」
剛が
シャツをズボンに仕舞いながら出てきた。
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