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「うるさいんだよ、バカ女!」
そう言って、私の前に立ちはだかった剛は、
やっぱり、デカい身体で
私に威圧感と恐怖感を植え付ける。
剛の背後に、
蓋を下ろした洋式トイレの上で、
乱れた服のまま
うずくまるように座る さくらがいた。
「さくら!」
「なんだ、またお前か?!」
剛は、私を覚えていたようだ。
薄暗いトイレで何をしようとしていたのか、
悲しくも容易に想像できる、双子の姉の姿を見て、
過去最大の憤りを、目の前の男に感じて、
悔しくて
涙が出そうだった。
「鬼!鬼畜やろう!」
わたしは、剛を殴ろうとして、
「お前、この間からスーパーマンのつもりかよ?」
その手を簡単に捕らえられてしまった。
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