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「関係ねぇブスが邪魔すんじゃねえ!」
私の腕を掴んだ剛の左手は、
左手が利き手なのか、物凄い力で、
骨が砕けるんじゃないかと思った。
「関係なくない、
さくらは……家族なんだから……」
…____最近
姉妹なのに、全然悩み事とか、相談しあうこともなかった。
双子なのに、
環境も行動も考えも、重なり合う部分が少なくて、
淋しいようで、
それが大人になっていく過程なんだと、
………諦めていた。
「は?
まさか、お前がさくらの妹?!」
剛は、ぎらついた瞳を、
更に馬鹿にした形に変えて
「お前
可哀想なヤツだなっ!」
私のコンプレックスに トドメを刺した。
「さくら、お前の妹?姉?全然、にてねーな、
血繋がってねぇんじゃねえの?!」
さくらは
無言のまま、首を横に振っていた。
「さくら………」
とても、
恥ずかしそうにして私を見ない。
腕が痛いのか、
悲しいからなのか、私の目から、雫が垂れる。
私たち
無力だね………
「舞ちゃん!!」
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