出会い、かな?-2

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「舞ちゃん!!」 声とともに、革靴が走り寄る音が聞こえ、振り向くと、 「中村くん……」 まだメールを始めたばかりの片思いの相手が、息を切らして来てくれた。 「お前、この間の、" 雑巾 " のダチか!」 剛は、野球のバッドを片手にやってきた中村くんを見て、思い切り笑った。 私の腕は解放され、すぐさま、トイレの中のサクラに駆け寄る。 「お前、サクラのブサイクな妹とできてんの?!物好きだなっ! で、なに?そのバッドで俺、やるつもり?ウケんだけど.?」 剛は相変わらずのムカつく態度で、私たちを侮辱する。 中村くんは、白い肌をさらに青白くしながら、 まだ完全じゃない身体で剛の方に近づいていく。 「お前なんか、早く警察に引っ張られていけばいい。 人の痛みがわかるまで 一生、ムショにいろよ。」 ____……きっと こわいよね? 中村くん、震えてるよね。 だけど 「この間から、邪魔ばっかしやがって、このモヤシ野郎が! さぁ、来いよ!」 自分より一回り以上もガタイのいい剛に 向かっていく中村くんは、 とても勇ましく見えた。 私は、サクラを見つめながら 携帯から 110番しよう として、 「やめて」 サクラに止められる。 「えっ?」 カー―ン!!!!! と 中村くんが振り回したバッドが 剛じゃなく、 トイレの壁に当たった音が、更に私の携帯を開く手を止めさせ、 「今度は死ねよ」 剛が、中村くんの首を絞めているのが見えて 「ちょっ!?止めなさいよ!!ホントに死んじゃう!!」 わたしは、携帯を放り投げ、 代わりに、床に転がったバッドを拾い上げた。 「光くん!!」 初めて 片思いの人の下の名前を呼んだ瞬間だった。
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