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「喧嘩に強い友達?」
朝のHRが始まる前に、音無の席近くで、
まるで仲良しのように、私はコソコソと話をする。
「いたら、紹介してくれないかな?」
わたしは、さくらを
あの" 剛 " という不良から守りたかった。
じゃなきゃ
自分の恋だって全うできない。
結局、わたしも、自己中な女だ。
「空手とか柔道やってる奴は基本、喧嘩はしない人間ばっかだよ
それに、そのしょうもないワルから、お前の姉ちゃん守ったとしてさ、
なんか報酬あんのかよ?」
音無も、
私とおんなじ………
「リスク負いたくねぇじゃん誰でも。」
……――リスク
確かに、そうだ。
「わかった、小遣いのヘソクリなら、あげるよ」
「期待できねえな、それ。
じゃ、剛を退散させたら、
姉ちゃんがやらしてくれる!って報酬、どう?」
「……………」
何よりも、
自分の希望や願望を
真っ先に叶えたいと思っている、
愚か者だ―――。
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