複数愛

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「この間の、本郷剛の件で来ました。」 剛に暴行を受けて病院に行った事のある光くんが、 面識のある刑事と連絡をとってくれた。 「あいつ、逃げてるんだよね、 空き巣や窃盗でも起訴されてる。 彼女たち、 被害者?」 初めて入る警察署の刑事課で、 緊張気味に光くんの後ろに立っていた私とサクラに、 刑事は鋭い目を向けた。 「首……やつが?」 まず、私の絞められた跡に、顔を歪ませる。 そして、 私の学校の鞄や教科書が車道に捨てられて、届けられていた事が分かった。 「残念ながら、財布と携帯は届けられてないよ」 「そうですか……」 やっぱり、だ。 「で、杵渕さくらさん、君は?」
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