118人が本棚に入れています
本棚に追加
/39ページ
聞き覚えのある声が、桜の木の裏から聞こえ、
涙を慌てて拭きながら、そちらを見ると、
____あいつがいた。
「桃太郎!」
銀色少年…………………
「それ、やめろ」
少年は、珍しくバイクではなかった。
「まだ、いたんだね。」
桜、散ったから、もう現れないと思った。
「 " まだ "、の意味がわからない」
少年は、茶色にグレーがかった綺麗な髪をかきあげながら、私に近づく。
「……だって、あなた 桜の妖精なんでしょ?」
ドキドキしてしまう。
あまりに、日本人離れしてるから。
「今度は、″そっち″?」
やっぱり、綺麗な子だな。光くんと、五分かもしれない。
「………お前、 泣いてたの?」
優しさも、
おんなじくらい。
最初のコメントを投稿しよう!