複数愛

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聞き覚えのある声が、桜の木の裏から聞こえ、 涙を慌てて拭きながら、そちらを見ると、 ____あいつがいた。 「桃太郎!」 銀色少年………………… 「それ、やめろ」 少年は、珍しくバイクではなかった。 「まだ、いたんだね。」 桜、散ったから、もう現れないと思った。 「 " まだ "、の意味がわからない」 少年は、茶色にグレーがかった綺麗な髪をかきあげながら、私に近づく。 「……だって、あなた 桜の妖精なんでしょ?」 ドキドキしてしまう。 あまりに、日本人離れしてるから。 「今度は、″そっち″?」 やっぱり、綺麗な子だな。光くんと、五分かもしれない。 「………お前、 泣いてたの?」 優しさも、 おんなじくらい。
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