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舞の首にまだ残る、剛の指痕。
顔だって腫れていた。
____剛は異常なSだ。
「付き合ってるときに、頭いい学校の女子とか見かけるとよく、唾を吐きかけてたりしてたの」
「……意味わかんない」
あいつは
自分の中にコンプレックスとプライドが競争するように存在することを
私に話したことがある。
わたしは、そんな剛をキレさせないように
ただ黙って
抱かれながら聞いていた。
「小学校の時に、えこひいきする女教師がいたらしいの。」
「教師だって人間だもん、高校にだって、
………男にだっているよ」
舞は、少し考えながら返事をする。
「勉強ができなくて、授業もついていけない剛には酷く冷たく当たっていたみたい。」
そんな話を私にしていたあいつは、
私には心を許していたのか……
「学校がイヤになって小学校六年から中学の間は、ほとんど授業受けないで過ごして、
結局、高校も行かず
仕事も続かない。
全部、その女教師のせいにしてた。」
「……だからって、同情なんかできない。」
それは、
私も同じ意見____
……剛から解放されたい。
なのに、
怖くてできなかった。
「舞……」
舞や光くんが気付いてくれなか ったら、
「一緒に寝ていい?」
わたしは、
暗く
恋も知らない高校生活で終わるところだった。
「……いいけど、サクライビキかかないでよ!」
「舞の歯ぎしりよりマシよ」
一緒に
布団に入るなんて 小学校以来。
「オナラも禁止」
「だから、それは舞だって」
………舞
ごめんね。
あんたと同じ人を好きになって
ごめんね……
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