118人が本棚に入れています
本棚に追加
/39ページ
通学満員電車、野乃ちゃんの姿を見つけ、人ごみをわけて、側によると
その少し先に光くんが乗っていた。
「舞ちゃん、おはよう!オッハー!だっけ?」
私に気付いた彼がへんな挨拶をすると、
野乃ちゃんが吹き出していた。
「光くん、古っ!ダサいって」
私のツッコミに、やや顔を紅くする光くん。
「舞ちゃんが先に使ってただろっ?」
「知らなーい」
「なんだとー」
そんな光くんは、可愛い。
「2人仲良いんだね」
野乃ちゃんがケラケラ笑う。
「男だったら大親友になれたよな」
……光くんの言葉に チクリとなる。
……サクラなら恋人になれるんだよね?
「じゃ、またね舞ちゃん!」
下車の際、相変わらずとびきりの笑顔を見せてくれる彼と、
私は、
友達以上になることはないんだと、
爽やかな朝なのに、再度悟ってしまった1日の始まり。
それでも穏やかだった。
____剛さえいなければ
そんな毎朝を
迎えられたはずなんだ。
最初のコメントを投稿しよう!