複数愛

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通学満員電車、野乃ちゃんの姿を見つけ、人ごみをわけて、側によると その少し先に光くんが乗っていた。 「舞ちゃん、おはよう!オッハー!だっけ?」 私に気付いた彼がへんな挨拶をすると、 野乃ちゃんが吹き出していた。 「光くん、古っ!ダサいって」 私のツッコミに、やや顔を紅くする光くん。 「舞ちゃんが先に使ってただろっ?」 「知らなーい」 「なんだとー」 そんな光くんは、可愛い。 「2人仲良いんだね」 野乃ちゃんがケラケラ笑う。 「男だったら大親友になれたよな」 ……光くんの言葉に チクリとなる。 ……サクラなら恋人になれるんだよね? 「じゃ、またね舞ちゃん!」 下車の際、相変わらずとびきりの笑顔を見せてくれる彼と、 私は、 友達以上になることはないんだと、 爽やかな朝なのに、再度悟ってしまった1日の始まり。 それでも穏やかだった。 ____剛さえいなければ そんな毎朝を 迎えられたはずなんだ。
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