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「剛、お前を知らないか って サツから尋問受けたぞ」
どこに行っても、
誰に会っても、
警察が俺を捕まえようと嗅ぎ回っている情報が入る。
ある工場から金属類と部品、
有機溶剤なんかを盗んだ事で足がついてしまった。
隠れていた、他県の闇サイト仲間のところにも
「本郷剛が来なかったか?」
とうとう刑事がやってきた。
もう逃げられないかもしれない。
俺は
どうしてもサクラに会いたくて電話をかけてみたが
やはり拒否られていた。
「クソッ!」
「剛、暴れんなよ、今捕まったらお前、間違いなく有罪だからよ」
一緒に逃げているツレは、呑気にゲームをしている。
「イラつく!!」
苛立ちのピークで、そいつのモヒカンを鷲掴みにする。
「いってぇな!何すんだよっ」
「お前がサクラの妹にムラムラしてるから、逃げられたんだぞ!」
あの女の耳さえ削ぎ落としていれば…、
「サクラを逃がさなかったのによっ!」
あの女の一部を見たサクラが
俺と別れたことを後悔して、泣きわめく場面を想像しただけで
テンションが上がってくる。
サクラの
泣く顔が見たい______
「おい、戻るぞ」
「はぁ ?何考えてるんだよ?俺に命令するなよ!」
「お前こそ、俺に命令すんじゃねえ!」
俺をバカにした奴は許さない。
「自ら捕まりに行くようなもんじゃねーか……」
俺の行き先が地獄なら
サクラだって、
道連れだ______
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