複数愛

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あの女が持っていた携帯電話_____ もちろん、すでに使用不可になっている。 俺は、 履歴やメールの内容から あのヒーローぶった、もやし野郎の事をを あの女が好きなんだと気付いた。 「頭いい金持ちのボンボンって感じだったよな」 いつも邪魔しやがって…… あいつのせいで片目つぶれたんだ、 同じ目に合わさなきゃ気が済まない。 「剛、この車だれのだよ?」 ツレが運転している車は、闇サイトの奴が廃車置き場から盗んだものを、再生した幽霊車。 「まず、あのもやし野郎を捕まえてあの女を呼び出す そしてサクラだ」 あの男 Y高校だった。 「お前の知り合いの女、ちょっと呼び出せ」 「知り合い?」 「ちょっと手伝ってもらう」 世間知らずで、 きっと、人の綺麗な部分しか見てない人生を送ってるはずだ。 時には、 人は残酷な生き物だって、身を持って知ったほうがいい。 「………先生、あんたが俺に教えたんだ。」 俺をバカにした女教師、 あいつが生きてたら、 間違いなく、生き地獄を見せてやってたのに。 ……………サクラ……… おまえは、 こんな俺を黙って 受け入れたくれじゃないか。
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