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「杵渕、何してる?」
部員たちがタイムを計っている所へ、私も練習着で現れた。
険しい顔したコーチが、近寄って来て、
「なにしてる?」
同じ質問を繰り返す。
「走る準備をしています。」
同じ学年の部員たちがヒヤヒヤした顔でこちらを見ている。
別にコーチとやりあいたいわけじゃないのに…。
「何日も顔も出さずに何やってたんだ?」
…____え…
「俺が" 来るな " と行った位で大事な高総体前に休むんじゃない、
部活はお前たちのものだろう?」
「……コーチ…」
" そんなムチャクチャです! "
そう言いたい気持ちをぐっと押さえて、
「大会まで、みっちりお願いします、」
とりあえず頭を下げて練習に参加させてもらう。
「もう、怪我すんなよ」
……今は、
迫った大会でいい記録を残す事だけを考えよう、
そう思いながら、今まであまりできなかったトレーニングを頑張った。
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