複数愛

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光くんは、 二階の自分の部屋を見せてくれた。 「これ、光くんが描いたの?」 幼少の時から絵を描いていたみたいで 可愛い絵がいくつも飾ってあった。 賞まで貰っている…… 「どうして、お医者さんになりたいの?」 愚問だとあとで気付いた。 「おばあちゃんが看護師だったし よく病院に付いて行ってたから 自然とそう思うようになった。」 「絵もこんなに上手いのにね」 才能あるって羨ましいな。 「舞ちゃんは、スプリンターとしての道を進むの?」 光くんは 勉強机の椅子をひいてそれに座り、 背もたれに腕をおいて 真っすぐな瞳で私を見つめる。 このひとは、 汚れていない…____ 「将来は、まだ何も考えてないんだ」 そんな綺麗な瞳で見られたら 恥ずかしくなる。 人工呼吸をしてくれたと聞いて、ときめいたし ………今夜だって、 「光くんは、 好きな子いる?」 有り得ない期待をしている自分が 確かにいるから、 恥ずかしくなる。
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