119人が本棚に入れています
本棚に追加
光くんは、
二階の自分の部屋を見せてくれた。
「これ、光くんが描いたの?」
幼少の時から絵を描いていたみたいで
可愛い絵がいくつも飾ってあった。
賞まで貰っている……
「どうして、お医者さんになりたいの?」
愚問だとあとで気付いた。
「おばあちゃんが看護師だったし
よく病院に付いて行ってたから
自然とそう思うようになった。」
「絵もこんなに上手いのにね」
才能あるって羨ましいな。
「舞ちゃんは、スプリンターとしての道を進むの?」
光くんは
勉強机の椅子をひいてそれに座り、
背もたれに腕をおいて
真っすぐな瞳で私を見つめる。
このひとは、
汚れていない…____
「将来は、まだ何も考えてないんだ」
そんな綺麗な瞳で見られたら
恥ずかしくなる。
人工呼吸をしてくれたと聞いて、ときめいたし
………今夜だって、
「光くんは、
好きな子いる?」
有り得ない期待をしている自分が
確かにいるから、
恥ずかしくなる。
最初のコメントを投稿しよう!