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「もしもし?」
知らない番号からだという電話。
光くんは、私達に背を向けて取り、小声で話す。
「山口さん…?」
どうやら、相手は女子のようだ。
「今は、ちょっと…友達が来てるから…」
光くんは部屋を出て階段のところで電話を続けた。
「光くん、イケメンだもんなぁ、俺と五分」
ケーキを平らげた音無は、お茶も飲み干しゲップする。
「発言もゲップもウザいんだけど…」
「ゴメン!」
電話を終えた光くんが部屋に顔を出して、
「ちょっと、中学んときの同級生にチラッと会ってくるよ」
そう言ったとき、
サクラの表情は曇ってしまい、
「今じゃなきゃダメなの?」
慌ててる光くんが気になって、私も止めたくなった。
「うん、転校して行くらしくて、最後に話がしたいって言うから
ちょっとだけ駅に…」
優しい光くん………
みんなに優しすぎる。
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